過去の投稿2

🎵 YouTube 2022/09/23


 「YouTube」ってスゴくない?て何をいまさら、かもしれませんが、さまざまな情報、様々なハウツーもアップされていて、モノゴトの解決に役立つことしばしばです。最近は音資料もほとんどこれで済ませてるし(汗)。まぁどんな情報に限らず、容易に手に入るものは玉石混交なので、ちゃんと選ばなければならないですが。インドでは道はひとりだけにではなく3人に訊け、と申します(笑)。

 「〇〇〇とは?」「〇〇〇作ってみた」みたいなの。自分が知らない世界のものは好奇心をかき立てられますね。

 で、それにちょっと習って、ここYouTubeじゃないけど「楽曲作ってみた」を少しだけ公開してみようかなと。でもボクの場合かなり特殊、かなり限定的な使い方が目的なんで、ネット上にあるような「あなたにも出来る作曲の方法」みたいなのとはゼンゼン違うんですが・・・

 だいたいが、やり方がめちゃくちゃ旧いです。PC使わないし、音源は鍵盤のデジタルシンセ2機だけだし。いまDAWを使う若い世代のひとたちには全然参考にもならないだろうな…

 モノは来週に依頼された、プライベートな会でのパントマイム・清水きよしさんの作品。つまりいつものごとく、自作自演でボク自身がアドリブでフルート吹くためのバッキング(カラオケと言うには音が薄い)なわけですね。いままでのお付き合いのなかでは担当したことがない作品なので、実際の演奏はアドリブだとしても、作品の流れに合わせたアウトラインの雰囲気とか、だいたいの尺の見当を検討(笑)するわけですね。打ち込み部分は当然あらかじめ作っておかなければならないし。

 いただいた台本を読んで、まず全体の雰囲気を考えます。鉛筆でのスケッチみたいなもんでしょうか。フルートアドリブと言っても、まったく思いつくまま、気の向くままでは統一感のない散漫なものになってしまいますから・・・ まぁ場合によっては「思いつくまま」のエネルギー感がふさわしいシチュエーションもあるんですが、この場合そうではないです。逆にあまり「事前準備」しすぎたアドリブだと、こぢんまりとしたものになってしまいます。バックグラウンドの録音モノはあくまで即興のフルートを最大限に生かすためのものですから、それ自体の自己主張はかなり控えめにしておきます。

 スケールを統一するか、コードプログレッションするか、モードか、はたまたそれらをブレンドするのか、まではこの段階で決めておきます。つぎはバックの音ですが、今回は(も?)ブ厚い音のイメージではなく、物語のなかから時間軸を象徴する音色と効果音、そして登場人物の中から子供を象徴する3音色を割り当てます。音楽で「解説」するわけではないし、「ピーターと狼」でもないですから、登場キャラすべてに音色を割り当てるわけではありません。


 時間軸担当はmicroXのシンセストリングス。物語の最初と最後に同じモチーフを使い、あとはドローン(持続音)担当でその上にフルートが載ります。スコットランドバグパイプ北インド音楽のタンプーラをリスペクトしています。


 「木こり」のキャラと「子供」はSK-88で。

 なんとかMIDI化せず、弾いて一発録りでいけそうです。MIDI化… シーケンスデータにしてしまうと細かいニュアンスが死んでしまう。鍵盤弾いての一発録りが一番。まぁ本当のところは腕が4~5本ほしいですが。

 だいたいが「シンセ(とは最近あまり呼ばないけど)」てのが本当は不本意なんで、一人でピアノ弾いてギター弾いてハープ弾いて一発録りが理想なんですがそれじゃあ千手観音にでもならないとムリだし、ボク鍵盤しか弾けないし。

 なんとか録音まで済ませて、あとはそれに載っけてあーでもない、こーでもないとフルート吹きながらモチーフを考えます。

 「うえのの曲はわかりにくい」てのが一般的な評なんですが(笑)、そりゃそうだ。「わかりやすいメロディ」作ろうとしてないから。印象派の大作曲家たちが、それまでの和声法ではない和音の使い方で「色」を顕わそうとしたように、「モチーフ」あるいは「響き」だけで色を表現したい、そんなこと考えてます。もちろん奏法もですが。





🎵 麻里さん 2022/02/10


 麻里左貴磨(まり・さきま)さん。フルート職人。楽器製作もされたようです。
 亡くなってもう26年も経つので、若い世代の笛吹きは知らないですよね。情報化社会の今でも、ググっても記事はほとんど出てきません。

 実は僕もお会いしたことはないんです。最初は都下の国立に工房を構えていらしたそうで、そのせいか国立音大の学生・出身者には麻里さんにお世話になっていた方が多く、僕も国立出身の先輩に紹介してもらいました。そのときにはすでに山形の川西町に工房を移していらしたのですね。そのいきさつを「ニュースレター」のようなもので読んだ憶えがあります。

 銀のフルートって、使い続けるうちに黒く変色してくるんですが(アクセサリーと同じ、いぶし銀ですね)、それって酸化だったり硫化だったりなんですが、麻里さんは毎日フルートの修理をされていて「最近はどうも大気の中に含まれる硫化物の影響での硫化銀が多い」と感じられたそうです。ご家族の健康のことも考えると「こんなところには住めん」と。で、住まいも仕事の拠点も地方に移して、「楽器を送る」にまだ抵抗があったそのころに、「宅配便、小包で全国から受け取るスタイル」を始められたのですね。

 なのでさんざんお世話になりながらお会いしたことはなかったんですが、戻ってきた楽器のお仕事の様子とか、添えてくださったお手紙の様子などから、たいへんに誠実な方という印象でした。もうひとつ大事なところは、これは今お世話になっているTさんもですが、僕の楽器って一般的じゃないヘンテコ楽器だったり、おまけに改造してあったりするんですが、そんなことでは一切差別せずに、誠実に扱ってくださったのです。

 先日来、もっぱら吹いているM社の楽器、20年ほど前まで酷使されたあとは楽器庫(またの名は押入れ)でほとんど眠ってたんですが、タンポとかもまぁ全くとは言いませんが狂ってない。うーんと、と考えたらコイツは30年ほど前に麻里さんにタンポ替えてもらった(でそれっきり)んだったと思い出しました。


 修理をお願いする先もいくつか変わりましたが、こんなに長持ちするタンポを使うところはありません。まぁただ長持ちすればいいってもんじゃないですが、「狂わない」から長く使える、ということでもあります。

 今更ながら麻里さんすごいなー、と思って改めてググってみたら、麻里さん1993年に「新素材タンポ」での特許を取っていらしたんですね。今でこそシリコンなどをベースにした「新素材タンポ」は増えてきましたが、麻里さんは30年近く前に使っていらしたんですね…

 現代の「新素材タンポ」も評価はさまざまで、なにを隠そう僕自身も「トラディショナル」なタンポのほうが好みですが、時間が経ってみないとわからないこの耐久性はスゴいと感心します。でもこれじゃあ修理屋さんシゴト減るんじゃね?と思わなくもないんですが。

 ググって出てきた麻里さんの紹介記事の中に「変人と言われた…」てのがありました(笑)。あー仲間だったのかな?僕は麻里さんほど几帳面ではないけど。麻里さん、そんなに健康にも気をつけていらしたのに61歳で亡くなりました。僕も先月61になりましたが、今この楽器を引っ張り出すことになったのもなにかのご縁なのかと思っています。






🎵 暗譜 2022/01/10


 ピアニストは人前で弾くときは基本「暗譜」ですね。クラシックのギタリストもそうかな?ほかの楽器は時と場合により、ひとにより、ですね。ソロではなくアンサンブルの場合は譜面を置きます。これらの違いはその時々のアタマの使い方と絡んでいると思うんですが、なんとなく「暗譜が理想」の思い込みもあります。フルートでもコンチェルトとかだと譜面台立てるのはなんとなく「カッコわる」だもんね。

 ここでのハナシはそれらの状況の違いではなくて、特にシニアの初心者~中級者の場合、「どこまで覚えるか?」なんですが、

 日頃のレッスンから思うに、シニアの場合チマタの常識とはチト違ってもうすこし「覚えない」方向へ振ったほうがメリットが多いと感じています。あくまでも「シニアが音楽を楽しむ」の範疇です。もちろん、ただ「覚えないのススメ」ではなくて、囚われがちなアタマを解放してあげるために、もう少しだけ「記録は紙任せ」の方向へ、てことなんですが。

 いまさらですが、うえのフルート吹きを生業としていて、おシゴトなんで頼まれたものはなんでも吹きますが、自分が本当にやりたいのは「自作自演」なんです。シンガーソングライターのフルート版。足掛け30年以上、書きためた曲がたくさんあります。

 でも、それらの自作って暗譜で吹けないんですね。よくお客様に「自分で作った曲を覚えてないんですかぁ!?」と言われるんですが、正確には「覚えていない」んじゃなくて、演奏するときにはアタマをほかのことに使いたいんですね。

 「暗譜」だと、多かれ少なかれ「記憶を辿る」ことに脳を使います。でも僕は自作の演奏では、その場所ごとに違って響く「ソの音」(だけじゃないですが)をこの場所、この時間、今日のこの天気、この気温でこのお客さんたちに向けてどう料理してお出しするか。畑で野菜作ったのは俺、料理するのも俺、みたいな。吹きながら「4拍先の音は5thのラだけど今日は13thのシにしてみようかな?」と、リアルタイムはそんなことで脳ミソ忙しいんで、「記憶(記録?)」のエリアは楽譜に任せたいんですね。旧いパソコンと同じくアタマ悪いんで(笑)、インターナルのメモリーにゼンブ入れちゃうと動作遅くなるから、ファイルは外のサーバーに、みたいなの?(違うか?)。



 シニアの場合も、「楽譜を読む」ことに使うアタマの使い方が、なんていうかなあ?ある種の「脳の活性化」に結びつくと感じるんです。もちろん自ら楽器を持って音を出すことでも身体あちこちの感覚が刺激されて、全身が活性化されるとは思うんですが。管楽器は呼吸器官も使うしね。

 「読譜力の開発」とセットになりますが、「楽譜を読みながら演奏する」てのはかなり非日常的な脳の使い方をしていると思います。他のシチュエーションで全くないわけではなく、例えば人前で朗読する、などは近いと思いますが、決まっている時間経過の中で進行させなければならないのですね。

 そのためには「記憶」「先読み(平行時間感覚)」「予測」など、人間が持っている能力をかなり高度に組み合わせて使っていると感じます。「ワタクシそんな高度なことはできません」というひとでも無意識のうちにやってます。テンポ保たないとダメだけど。ウチの(シニアの)生徒さん、レッスンでゴリゴリ絞ると(実際はそれほどじゃないですよ)、「あーアタマ揉まれてすっきりした」って帰るひといますが(笑)、これってそういうことなんだな、って思っています。

 読譜に自信がないと、どうしても「覚えてしまおう」となります。それはそれで正しい取り組みなんですが、「その場対応」的なアタマの使い方をすることも、シニアの趣味としては結構重要なんじゃないかと思います。よく(特にピアノは)指先動かしているとボケない、と言われますが、実際にはあまり譜面を読まないジャズピアニストだと、ボケた先輩の例はいくらでもあります。

 ただ、なんでもかんでも覚えない、「非暗譜のススメ」のように受け取られてしまうとちょっと違うんです。ジャズ屋が言う「手クセ」、クラシックでの「スケール・アルペジオ」のようなものは喋るうえでの語彙みたいなもので、あればあるほど財産になると思います。「手クセ」は暗譜領域よりももっと深いところ、小脳記憶なのか他なのかに入っているものに思えます。シニアピアノクラスでも3度5度オクターブくらいは「手の感覚」に入っていないといちいち次の音探すことになるからね。



 日々シニアを観察しながら、このへんの考察をもう少し進めたいと思っています(笑)。







🎵 ピーターとおおかみ 2021/12/10


 セルゲイ・プロコフィエフの音楽劇「ピーターと狼」はオーケストラ演奏とナレーションで進行する作品です。学校公演での定番のひとつですね。

 これをバンドで演ってしまおうと考えたバンドがありました。その名は「きつねのトンプソン」。本来はブルーグラスのバンドなんですが、ふつうは加わらない「木琴」リードのバンドなんです。そもそもが木琴奏者の小山理恵さんが「異次元チャレンジ(笑)」するべくのひとつですから。

 今年はじめにレコーディングにご招待いただいて参加したのですが、このご時世、CD完成後も「プチレコ発ライブ」しかやっていなかったので、今回クリスマスライブとしてのお披露目になります。

 本来「きつねのトンプソン」のメンバーではないナレーションのあしゅら紅丸さんと僕もお呼びいただいて、一緒に盛り上げたいと思います。



 ご予約はフライヤーに記載があるメールアドレスのほうへ。お待ちしています。







🎵 リング・キィかカヴァードか?


 これにもいろいろな意見があります。ここでは「音響学的になんちゃら」みたいなことではなく、あくまでひとりの「吹き手」としてのボクの「私見」として受け取ってください。

 結論からいえば、

「どっちでもいいんじゃない?」

そんな無責任な、と思われるかもしれませんが、実際問題、自分自身がごく最近にリング教からカヴァード教に改宗してしまい、結果「どっちでもいいや」と思ってるんだから仕方ない。実際のところ、現在はクラシック・ジャズ・レッスンと持ち歩く楽器は木管のカヴァード、屋外だったり寒いところだったりに持っていく楽器は半金のリングキィです。150年間共存しているリングキィとカヴァードキィの選択は、チマタ思われているように、リングが上級者向け、カヴァードは初心者向け、のような単純な構図では終わらず、それぞれにアドバンテージ・ディスアドバンテージがあります。音楽のジャンルやスタイルにより、「この場合はリングがベター、はたまたこっちはカヴァードのほうが…」というのがホンネ。

 難しい音響学的理論はおいといて、「吹く立場」からすると、リングキィを使うメリットは、微分音程含め替え指の可能性が増えることと、ハーフオープンを使う音程修正が可能なこと、そしてキィの操作に関わる、いい意味での「曖昧さ」があること。この「曖昧さ」は、東洋的な表現… 音のイメージは自動的に竹または木の笛(当然キィメカニズムがない)の音色(ねいろ)を出したいときにも役立ちます。

 リングキィのキィ開口部の形状もメーカーによって多少違うので、ムラマツ始め日本のメーカーのものは手が小さいボクの指先でも特に問題ありませんが、ヘインズなどは開口部の逆円錐形状が大きくて、ボクの指先だと多少、ムリクリ押し込んで塞いでいる感覚があります。手が大きい、指先が太い外国人だと問題ないんでしょうが。でもこのことが、ボクが吹いた場合にこの楽器が特に「東洋の笛」的なニュアンスがつけやすい理由のような気もします。

 よく言われる、「リングのほうが音色が明るい」は、実際にはチューブの厚みや、歌口のカットに影響されることが多いようです。現代音楽のための特殊奏法はリングキィが前提のことがほとんどで、リングでないと演奏不可能なこともありますが、クラシックの一般的なレパートリィである近代までの作品では、そのようなことはありません。ボクの場合、高音域多用のラテン音楽では、替え指の多さからリングキィが便利。他に、アドリブでベンディングを多用したいスタイルのときに便利さを感じます。そうそう、2005年の秋に、コルカタのカタックダンサーである、スラボニ・ボナジーさんを招聘して共演したとき、彼女のテクストである「マヤの物語」という、ベンガルの農村に暮らす女性のストーリーによるカタックダンスに曲をつけたのですが、このときはインドのバンスリや、日本の尺八・能管をイメージして、バンブートーンやら、メリ・カリ・ムラ息・コロ・ヒシギやら、拡張奏法(というより「よそのうち」のワザ)をさんざん使いましたから、こういうのもリングキィのほうがなにかと便利ですね。例の「東洋の笛」的なイメージですから。でもここ最近は、オールドのフィリップ・ハンミッヒ、そしてその後はやはりオールドのヘインズ、ここ最近はフランツ・メナートの半木管を吹いていますが、これら当然カヴァードキィ。ホレてしまえばアバタもエクボ、(オープンホールが)なけりゃないなりに、何を吹くんでも別にこれで(カヴァード)いいんじゃない?の心境になりつつあります。キィをゆっくり上げることでのポルタメントもどきも出来るし。

 カヴァードキィ特有の音色はキィカップに余分な空間(フィンガーホール)を持たないことからくるものが大きいと思うのですが、音に「一種のピュア感」が… リングよりもあるような… そしてもうひとつは「エッヂ感」のあるレガートですよね。「スポン!」て音が変るカンジね。これはリングではどうやっても出ない、カヴァード独特の「味」のように感じます。ただこれはどのような場合でも「アドバンテージ」になるわけではなく、場合によってはリングキィの「ポルタメント感」のあるレガートのほうがベターにも感じますが… 音の移り変わりの部分を顕微鏡的に見れば、リングのほうが、弦楽器に幾分なりとも近い、と言えるかも。100分の1秒単位での、近似音程から目的の音程に納まるまで移行する過程がね。でもそれは逆に、ベームフルートならではの音の立ち上がり、エッヂのきいたレガートならカヴァードだ、ということにもなるかな。奏法上の問題を別としての、それぞれのキィデザインが音に及ぼす影響、という点だけからみても… 「音」って本当にさまざまな要素が微妙にミックスされて成り立ってるから、単純には決められないよね。今ドイツの木管がインラインリング、カヴァードの両方手元にありますが、音への効果はキィスタイルよりも、材質(片方は「枯れた」グレナディラ、もう一方は比較的新しいコーカスウッド)、歌口(かなり性格が違う)、ウォールの厚み(イェーガーは全管ごんぶと、フィリップは頭部管ヘヴィ・胴体ミディアム)等の差がもたらす違い=作りによる違いのほうがはるかに大きいと感じます。まぁこれは一般的な話しではないかもしれませんが。でも結局どっかで「割り切る」か、「思い込む」しかないのでは?
 ボクはフルートを始めた経緯がチト変わってますので、最初に手にした楽器がリングキィ、それ以後20年以上リングだったのですが、その後オールドのヘインズですべてを吹いていた時には、モダンジャズのフレーズ等にはこっちのほうが合うな、と思いました。アドリブ中のチョッ速のフレーズでは、音のエッジの立ち具合が、カヴァードのほうが合いますね。ボクの場合それよりも、男にしては手が小さいから、オフセットかインラインかの違いによる持ち方の影響のほうが大きいみたい。リングであったとしてもオフセットのほうが有り難い。 

 マルセル・モイーズが終生使ったスペシャル・クェノンはカヴァードだった、は有名なハナシ。たしかにモイーズの古い録音を聴いていると、あのレガート感はカヴァードでないと出ない気がします。それにモイーズはいわゆる現代音楽を嫌っていましたから、リングの必要がある場面もなかったと想像します。他にもクラシックのプレイヤーの情報は割合ありますが、ジャズ系はあんまりですね。不世出の天才、エリック・ドルフィーは、レコード聴いているとどうもリングキィのようですね。(ジャケット写真ではどうもよく解らない。H足であることは解るのだけど)。現代の名手デイヴ・ヴァレンティン、ネスター・トレスら、アメリカのラテンジャズフルーティストもリングキィを使うひとが多いようです。バド・シャンクやフランク・ウェスはカヴァードですね。
 ボクはずっとリングだったから、新たに楽器を選ぶときにも、なんの疑問もなくリングを選んでいたのですが、最初に手にしたカヴァードであるフィリップ・ハンミッヒは90年前にフィリップ本人によって製作されたオールドで、今でこそドイツフルートであるフィリップ・ハンミッヒにもリングキィのモデルはありますが、当時はそんなものが有る筈もなく… ここだけのハナシ、サンキョウフルートの故・久蔵会長にこの楽器のレストア頼んだ際、「ついでにリングに改造できませんかぁ?」と訊いたらみごとに断られました。でも出来上がったフィリップをいろいろな空間で吹いてみての今となっては、久蔵会長のおっしゃる通りで、そげな無理しなくてよかったと思っています。この楽器の場合は、すべての要素がカヴァードのキィスタイルを前提として成立していますから。ドイツフルートのサウンドにはやっぱりカヴァードキィでないと。カヴァード特有のエッジ感が、この楽器の声にはどうしても必要なのです。また脱線しますが、昔はメルセデスフォルクスワーゲンでも、作る側は今みたいなレヴェルでのマーケティングなんかしなかっただろうし、基本的「作り手」の信念と理想でモノ作っていたんだと思う。だからその時代の「モノ」は今のモノより遥かに「重い」し「骨太」だし「堅い」。まあそれって「これが正しいんだからありがたく使えーどうせシロートには解んないんだよオラオラ」というオーボーでもあるのですが。ドイツのフルートも現在では、ベルンハルトはともかく、リヒャルト・フィリップともにリングキィをラインナップするようになったことは、時代を感じさせる部分でもあるし、ある意味寂しくもある。解らないヤツはほっとけよ、と言いたくなる。まぁ商売の都合もあるだろうけど。

 エラそうなことはあまり言えません。誰よりもムリする、しようとするのは他ならぬボクかもですから。フィリップのリングキィ化計画のみならず、チィーとばかりピッチの低いボクのヘインズレギュラーの頭部管を、ヘインズリペアのエキスパートである、江藤さんという修理屋さんに、「少し切ってもらえませんか?」と頼んだら「吹き方が悪いっっ!!!」とエラく怒られたっけ…

 ご質問は、yocchy6456@hotmail.co.jp まで



🎵 黒帯 2016/11/01



 8年前、50代を目前にして、フルコンタクト空手を始めた。ことの起こりはウチのチビ娘。娘は超未熟児で生まれ、保育園時代は常にクラスいちばんのチビ。運動会のかけっこも毎回ビリ。保育園のクラスを廊下から覗いていると、集団行動のなかでなにかと遅れをとるウチの娘を、まわりの友達が助けてくれるシステムが出来上がっている。ウチのはそれをいいことにシッパイは周りに助けてもらうのがアタリマエ、とばかりひっくり返したおもちゃを自分で片付けようともしない。

 こりゃアカンと思った。このままでは周りによたれかかってばかり、他人の気持ちなどなんも感じられない大人になってしまう。わが家の家訓は 1、いいわけをしない。2、卑怯なことをしない。3、てめえのケツはてめえで拭く。なので、チビでも負けないなにかを、自分に自信がもてるなにかを身につけてもらわなければ。で、ウチからすぐの中学校の武道場でカラテをやってると聞きつけて連れていったのですね。

 べつに押し付けるつもりもないから、稽古を見学したあとで「どう?」と聞くとやってみたいという。平日の7時、送り迎えしなければならないがまぁ金曜日の夜の仕事は断るか、と。
 娘を入門させて、金曜日の7時に連れて行って1時間、稽古が終わったら連れて帰る。2週間もすると、自分が1時間なにもしないでじっとしているのが性に合わないことがよくわかった。で、自分も入門させていただいて、一緒に稽古することにしたのだ。

 そのときはなにも知らずに、娘の送り迎えのこともあるので8時からの(大人の)一般部でなく、7時の少年部に入れていただいたのだが… まぁそんなこともあるのだろうくらいに思っていたが、それ以後、少年部で稽古する大人は見たことがない。空手道講士館代表・長谷川一之師範は元全日本チャンピオン、厳しいなかにも暖かいまなざしで子供にも武道の心構えをしっかり説く方だが、柔軟な考え方も、それにユーモアのセンスもお持ちの先生で、けっこう例外的措置だったのだろうと、今では思っている。

 空手道講士館。なにもわからずに、ただウチから一番近いという単純な理由でここに入門したことが、どれだけ幸せなことだったか。娘が生まれて以降、人との出会いに恵まれるようになった… 娘が連れてきた運なのか、子供を持つということはそういうことなのか、そのへんは解らないが、素晴らしい師範、先生方や先輩に恵まれ、さんざんお世話になりながら娘は昨年、自分も先日の秋季審査会で、念願の黒帯をいただくことが出来ました。

 稽古を重ねていると、中高大学時代を通じて運動部経験いっさいなく、その後も不健康なミュージシャン生活だった僕は、自分の身体能力の低さに自分で呆れた。柔軟では固い身体に嫌気がさし、基本稽古では上がらない足に憤り、パンチの威力のなさはこりゃドラえもんとたいして変わらんな、と。


 かたや現役選手である若手の先生方は、山田先生は中量級世界チャンピオン、宮島先生は全日本2連覇と超一流。稽古の合間に先生方が技の練習をしていると、その美しい身体の動きに惚れ惚れする。そして、とても同じことをやってるとは思えずに再びガックシとなるのだ。

 それでものめり込んだのは、「こりゃ楽器のコントロールと根っこは一緒だな」と思えたこと。演舞の型や、試合ではその場でアタマをフル回転してやることでは間に合わず、そのために日々稽古を積み重ねて身体の記憶をつくるのですが、これって楽器と全く同じ。その身体記憶をつくるためにひたすら繰り返すことが大切なのも同じ。そしてもうひとつ好みに合ったのは、評価基準がひとつにはならない音楽と違って、試合では勝敗がはっきりしていること。まぁときにはビミョーな判定、というときもありますが。


 今の時代、どのスポーツでもそうですが20世紀に比べると科学的分析が進んだ。強いパンチ・キック、それに流れるような技の連続のためには身体のどこを使い、どこを鍛えるべきなのか。昭和の根性論とは違うアプローチをするようになっている。だから現役の選手は驚異的なパワーがありながら無駄な筋肉は持っていない。シュワルツネッガーが最強の選手ではないのだ。

 そりゃそれなりに代償も払いました。アバラにヒビはいること数回。突き指、肩肘故障数しれず。右肩はもはや完全に元通りにはならないようで、動作範囲がかなり狭くなってしまったし、これからの季節、バイクで寒風にさらされると結構痛む。右薬指の関節も元通りにはならないみたいだしなぁ。ケガするといつも師範が「うえのさん、完全に治るまで組手はやっちゃいけません。元に戻らなくなりますからね」と怖い顔でおっしゃるのだが、そうは言っても治りの遅いシニア、我慢できずに適当なところで「治りましたぁ」と組手稽古に出ていた報いなのですが。

 でも、「怪我の巧名」(文字通り)じゃないけど、ケガしてみて初めて理解した身体のしくみって、結構あるんだ。いちばん突き指しやすいのは指の第2関節ですが、ここをやっちまってもフルートは吹けるしピアノも弾ける。まぁ痛みはしますけどね。指を動かす筋肉の仕組みは複雑ですが、掌よりも総指伸筋はじめ前腕のほうが重要なことが、ケガすると解る。すると、フルートの理想的な「構え」がおのずと見えてくる。まぁこれは屁理屈の類かもしれませんが。

 音楽も仕事にするとイヤでも出くわす理不尽、ブラックな世界。まぁいつもでないとは言え、だいたいがグレー。府中道場にはこれから全日本を連覇するであろう素晴らしい選手、Y君がいるんですが、中学生時代までは空手をやっていたものの高校・大学は野球に打ち込んでいた彼が空手に戻ってきて、茶帯で足踏みしていた僕をあっという間に追い越して黒帯昇段審査を受けるまえ、師範がわざわざ僕のところへいらして「Yを先に(僕を追い越して)昇段させます」とおっしゃった。さいしょは師範何をおっしゃってるのかと思った。僕はもちろん、彼の実力から言って僕より先に黒帯になるのが当然と思っていたし、だいたいがヘロヘロな趣味のシニアと現役選手だし。いくら在籍上は僕のほうが先輩とはいえ、師範がわざわざ筋を通されたことに新鮮な感動を覚えた。そりゃ空手の世界も外ではいろいろあるが、すくなくともここ講士館の中ではわけのわからない、筋の通らないことはないのだ。


 自分が生徒たちに接する姿勢も、こうありたいと思います。




🎵 顕在意識・潜在意識 2018/01/22


 心理学での「顕在意識・潜在意識」とは少し違うのかもしれないけれど、楽器を演奏するとき、それにもう一段階外側の音楽を認識するときにも、顕在意識と潜在意識が深く関わっているように思える。


 楽器奏者は、初めて見る譜面、それもややこしい譜面は「譜読み」と称して、ゆっくりのテンポで、ひとつひとつの音を確認しながら鳴らしていく作業から始める。

 この作業は顕在意識でひとつひとつの音を認識しているからにほかならない。そして無意識のうちに、経験に応じて潜在領域の書庫に収納されている「スケール・アルペジオ」のデータが使える場所を摺りあわせている。そこからテンポをあげていって、指定のテンポ、本来のテンポで、理想は「居眠りしていても吹ける」(弾ける)状態を目指す。「スケール・アルペジオのデータ」をペーストした文書データ自体が潜在書庫に入っている状態。自分の場合、16分音符より細かい音符は「潜在意識コントロール」になっていなければならず、対して4分音符以上、さらにカンタービレだったりは「その場意識」が重要な気がする。ボケッと吹いていてはカンタービレにはならない。細かい音符を追いかけることは潜在意識に任せて、顕在意識のほうはその先のこと… 音楽的な表現とか、アンサンブルとか、そういうことを考えられる状態にもっていくわけですね。少なくとも僕はそう認識している。


 やっぱり、いわゆるの「潜在意識」とは違うのかもしれない。潜在意識とは、在ることはあるが、容易には水面上に持ってこられないもののようだから。だから自由連想法とか催眠療法とかがあるわけでしょ? 音楽家が楽器奏法から考えたタワゴトだと思ってください。楽器演奏の場合、運指のデータ、音のコントロールに関するデータ、それにフレーズのファイルなどが、全部は机の上には並んではいないが、書庫にきちんと整理されて収まっていて、しかもインデックスがちゃんとしていてスグに取り出せる状態でないと、みたいな感覚だから。この場合「潜在記憶」ですかね?

 それでもクラシックの場合は、書庫に収納されているのはスケールだったりアルペジオだったりなわけですが、ジャズのアドリブでは記憶してある「ジャズフレーズ」をもう少し手前に置いとかないと… アドリブコーラスが進行しているその場で記憶を繋いで並べていかなければならないわけですから、「机の上」には乗り切らないとしても、「部屋の中」にはブチまけとかないと… それでもアップテンポになると、ほとんど「身体が勝手に吹いている」状態じゃないと間に合わない。やっぱり自分的な感覚でいえば、「場所はちゃんと解っているがブチまけられている」状態で、その中を飛び回って拾い上げていく感覚。決して優等生の学級委員の部屋のように整然とはしていない。お行儀よく「廊下(この場合部屋の中ですが)は走らない」を守ってもいない。

 ヒューバート・ロウズに師事したセンパイの話しだと、ヒューバートの日課練習はコーラス単位で纏めたものを繰り返す(クラシックの練習方法に似ている)ものだそうです。この場合、「文書単位」のなぞり書き作業なわけですね。

 「お行儀よく」ない要素は発音にも関わる気がする。ジャズ・トーンはクラシックのそれのように十分に準備して、整えて発音していたらお行儀が良すぎだし、間に合わない。もっと「いい意味でザツな」吹き方じゃないと。ジャズ屋がアドリブで吹いている演奏と、それを譜面にしたものをクラシック奏者が「読んで吹く」状態が違って聴こえるのは、そのへんもある気がする。そこのところを、ここまでリクツこねて分析しなくても、聴き手は「無意識下」で、ジャズっぽい演奏とそうでない演奏を判断しているように思う。

 「知識」とか「知恵」のようなものは、顕在意識領域にあるのでしょうか? トシがいけばいくほど、特にシニアの生徒さんをみていると、自身60年、70年(もっとの人も)の経験にがんじがらめにされているように見える。「トシとってから新しいことは覚えにくい」はこのことを指しているのかな?と思う。対してまだ潜在意識コントローラーとしての顕在意識が未熟な小学生は、「よく解らないけど感覚的に捉えた」ことの染み込みが早いこと。

 3学期の練習曲として、「シング・シング・シング」に取り掛かったのですが、「ジャズ」「フルバンサウンド」に馴染みのない南白ウインドアンサンブル、フレーズのリズムを「そこはね、パースパッスパーて吹くんだよ」と「口三味線」で教えると、やれ裏拍だのシンコペだののリクツ抜きであっという間にこなす。みんな天才かと思う。それは映画「スイングガールズ」なんぞカルく超えてる、感動的な世界!!!


 この仕事してると、「事実は小説より面白い」こと、いっぱいあります。


🎵 パーテイション 2021/03/28


 前代未聞の事態のなか、2021年3月の時点ではライブ・舞台公演も少しずつ復活してきました。でも、まだ会場定員の制限や、消毒などの感染拡大防止対策を行ってのうえです。そこで他の楽器よりブが悪いのがフルートという楽器。


 昨年、世界的な感染拡大が問題になってきてスグに、ヤマハミュージックジャパンが研究機関と共同で、管楽器演奏時の「飛沫可視化実験」を行ってウェブ上で公開してくれました。そこではっきりしたのは、まぁわれわれ笛吹きは解ってたことなんですが、「フルートはブが悪い」という結果でした。なぜって、他の管楽器… クラリネットオーボエ、トランペットやトロンボーンは楽器を「咥えてる」または「唇を覆ってる」、つまり飛沫は楽器に吹きこまれて直接は外部に出てこないわけですね。対してフルートは発音原理上、息の半分は外に吹きだしています。いわばノーマスクで口を半分だけ隠して喋ってるようなもんなんですね。


 「可視化実験」では他の管楽器が「セーフ」なのに対して、フルートは「大声で喋ったのと同じ」程度の飛沫が確認されていました。なので、生の舞台が復活することに合わせ、まだワクチン接種が進んでいない現状では「飛沫対策」が必要と考えています。お上品なフルーティストと違って、ボクの場合「スラップ・タンギング」やら「フラッタータンギング」のようなさらに飛沫飛ぶようなことを吹いていることが多いんで(笑)。


 なので、演奏時自身のそばに置けて、持ち運びできるパーティションを試行錯誤してきました。現時点での結論はこれ。市販のものですが、テーブル状の台に固定できる金具が付属していて、楽器・小物置きのテーブルに固定して使います。欠点は… アクリル板が60cm×60cmのサイズなので、クルマでの運搬を余儀なくされる、てことですね。「仕事道具一式はバイクに積めるサイズであるべし」をモットーにしてるんで(笑)。


 けどね、


 これはここで言ってはいけないことかも知れません。ボクには感染症や医学の専門知識はないし、コロナウイルス感染症に関しては専門家もこのあと時間をかけて研究を進めていかなければならないのだと思いますが、「飛沫可視化実験」って、「水分」を「可視化」したんだよね。その画像ではたしかにフルート演奏者から出ている飛沫は1mくらい飛んで床に落ちるか、その先が見えなくなるんだけど、それって1mでなくなるわけじゃないよね。

 飛沫の水分は蒸発してカメラでは捉えられなくなるのだろうけど、もしその飛沫にウイルスが含まれていたなら、その後ウイルスは空中を漂うはず。パーティションで防げるのは飛沫の直撃だけであって、実際に客席最前列から数mはなれている舞台上での対策としては、ほとんどの効果は「視覚的なもの」にとどまると思われます。




 でもこのご時世、「見た目の安心」を提供するのもわれわれ舞台人の責務だと思います。ひとの考え、感覚はひとそれぞれで、レッスン生たちも緊急事態宣言中はレッスンお休み、の選択をしたひともいるし、メンタルケアのために音楽レッスン、音楽の楽しみは「不要不急」じゃない、と考えたひともいます。この状況下でそのライブなり、舞台なりに足を運んでくださったお客様にたいして、「実際の効果うんぬん」よりも「配慮しています」のアピールが大事なんだと思っています。そのことが少しでも、不安を感じずに舞台を楽しんでもらえることにつながるのならば。このご時世、われわれがお客様に出来ることは、まぁ平時でも同じなんですがお客様に「楽しんでもらうこと」ですから。


 




🎵 新規捲きなおし 2020/07/19


 「うえの善巳フルート塾」は、開設以来、車返団地3街区集会所をお借りしてレッスンを行ってきました。ですが、今回の事態で、2020年3月末から休講を余儀なくされてきたわけです。

 団地集会所は7月も利用停止のまま。チマタ、Go Toキャンペーンやら、感染防止対策と経済活動再開のバランスやら、混乱は落ち着かない状態ですが、集会所運営は営利活動ではないから、そりゃあ当面閉めとくにこしたことはない。「自粛警察」が出現する日本人の国民性ですから、万一、「集会所で感染発生!」にでもなったら責任の取りようがない。管理組合の立場もよくわかります。

 あくまでも個人的な考えで… 情報その他分析したうえで、ウチのレッスンは再開することに「大問題」はなし、という結論になりました。どんなことでも「リスクゼロ」にはならない。でもわずかなリスクと、おおげさに言えば「心の糧」を天秤にかけると、ここらで再開するってんもんだろ、という結論です。

 生徒さんのおひとりのツテで、西武多摩川線是政駅ちかくのコーヒーハウスを、日曜日にお借りできることになりました。明るくてとても雰囲気の良いお店です。そうなると夢は膨らんできて、やはり以前から考えていた「定期ライブ」もここで出来るかな、と。

 たまたま「with コロナ」時代の指針と合致するけど、以前から、10~20人程度のキャパで定期的にライブやりたい、と思っていたのですね。「営業トーク」が嫌いなボクは、集客のために必死にならなくてはならない規模ではやりたくない。何千人、何万人規模は、イケメン芝居か、ジャニーズライブに任せておけばいい。「継続」に四苦八苦しないですむレベルで、そして「ライブハウス」でも「ホール」でもない場所で、全員と目を交わせる少しのお客さんと触れ合えるライブがしたい、と思っていました。そこで考えた企画のひとつがこれ。


 「茶房 でこ」西武多摩川線是政駅徒歩1分 レッスンは毎週日曜日です。ライブは具体的な日程を決めたらまたお知らせしますね。

 もうひとつ考えているのは…

 やはりコロナ休校・休業になってから、多摩川の河原で楽器練習しているひと、増えました。ずっと以前から、日本の住宅事情と音楽について考えてきました。自分自身も「練習出来る環境」を手に入れるためにずいぶん苦労しましたから。
 今のところレッスン生は少ないので、日曜日の残りの時間、「練習場所」として提供できないかな?と思います。こちらは基本的にフルートレッスンではなくて個人練習、自主練習。「貸し切り」ではありません。練習場所としてのオープンスペース。他の人がいると気になる神経質なひとには向かないかなあ… ご希望があればワンポイントアドヴァイスくらいはします。スペースに限りもあるので、楽器はフルート限定、混みあわないように時間も予約制にしようと思います。でもどんだけ需要があるかわからないので、興味ある方はご連絡ください。

 yocchy6456@hotmail.co.jp まで。 あ、レッスン生は随時募集してます。


 本当に練習場所の確保に苦労するのは金管・パーカッションの皆さんだとは思いますが・・・


 世の中捨てる神あれば拾う神あり。ご縁あってバッチリの場所とめぐり逢ったので、心機一転、いろいろあたらしいことを考えていきたいと思います。









🎵 老人特性(笑) 2019/12/26


 高齢化社会だから当然なのか、偶然なのかはわかりませんが、もうここ10年以上、プライベートの生徒さんはシニアばかり。あ、ひとりだけ20代の乙女が平均年齢押し下げてくれていますが・・・

 おかげさまで、おぼろげながらシニアに共通する症状が見えてきました(笑)。こちらももう若くはないオトシゴロですから、自身のテクニックを維持、発展させるためにはたいへん参考になります。自分の弱点を知ることが進歩への第一歩だからね(笑)。


 最近、「無意識」というキィワードに凝っているんですが、日常のなかで「意識」(顕在意識)と「無意識」はさまざまに、バランスを取りながら協調していると感じます。テンポがゆっくりで、白玉・四分音符オンリーの曲ならば「顕在意識」オンリーで吹け(弾け)ます。なので初見でも問題ない。ですが十六分音符フレーズの連続などはあらかじめ「無意識」の記憶に入れておく(手続き記憶化しておく)必要があるんじゃないかと。ムカシからセンセーがた、「難しいフレーズは止まらずにに吹けるゆっくりから徐々にテンポを上げて」と言っていたのはこの作業なわけですね。

 プロはたとえ初見だったとしてもある程度細かいフレーズがスグ吹けるのは、えんえんとやらされた(そして今は自身の意志でやってる)スケールやアルペジオが「手続き記憶化」されていて、それを組み合わせて使っているから。パーツは無意識下、組み合わせの采配をふるっているのは顕在意識。だから折り返すスケールなどは「折り返し点」の意識が重要なわけですね。

 ジャズではいわゆる「ジャズフレーズ」的定型文を「無意識記憶」化しておく必要があります。通称「手癖」。その蓄積がないとアドリブにはならない。まぁ他人のアドリブコーラスを「まる憶え」して再生する手もありますが、それってイマイチ、吹いてる本人が楽しくない。要するにそれではクラシックの楽曲を暗譜で吹いてるのと同じ脳のはたらき状態で、脳味噌フル回転させてアドリブひねり出すスリルがないんですね。ジャズ屋に糖尿と破滅型人格が多いのはこのせいなんじゃ?と僕は踏んでるんですが(笑)。


 で、シニア。人生120年を「健康に」送るためには、そりゃ健康管理も重要ですが、「顕在意識と無意識記憶のバランスとりなおし」を常にこころがけることが重要なんじゃ、と思っています。お医者さんには「シロートがなーにエラソーなことを」と言われかねませんが、ン10年、音楽を通してシニアを観察してきて、の感想です。「何十年住んでる自宅の階段である日突然つまずくでしょ?無意識下でアタマが出してる『足をこのくらい上げて』の信号に応える足のほうが性能落ちてるんで、顕在意識で『もっと足あげろ』って信号出さないと」と言ってます。


 「人間とキカイを一緒にするな!」って怒られそうですけど、ウチのバイクたちみたいな昭和生まれだわ、軒並み7万キロ超えだわ、になると、キャブセッティングとかでもサービスマニュアルの基準値通りじゃよう動かんです。ヘタってきたらヘタったなりのバランス取りしないと。まぁキカイの場合、本来ならヘタったパーツは交換して基準値で合わせるべきなんですが、何も新車時の性能を求めるのでなければ騙しダマシでけっこうイケます。


 「吹く(弾く)べきタイミングから遅れる」もよくある事態ですが、アウフタクトなどは逆にほとんどフライングして出てきます。シニアものごとすべてが若いころに比べると遅くしか出来ない自覚があるので、無意識にはやめはやめに信号だす補正をしている・・・ように見えるのですが、これもほとんど「無意識下」なので、たまさか「クスリが効きすぎて」フライングもするように思います。

 自身で「吹く(弾く)べきテンポ」がしっかり認識できれば、クスリの加減を自分で調節出来るので、「テンポをしっかり感じるように」のアドヴァイスは有効なんですが、「他人(若者)のペースにはついていけない」の自覚もあるので、メトロノームとかはまるで親のカタキのように敵視する傾向があるのも悩みのタネ。


 それらこれら、「明日は我が身」の精神で楽しみながらいろいろと方策を考えています。





🎵 ソルダード?ドローン? 🎵 2023/05/14


ワッシャー嵌まってねーし

 フルートのトーンホールには、別部品をはんだ付けするソルダード・トーンホールと、管から引き上げて形作るドローン・トーンホールがあります。それぞれに特徴があって、奏者の好みで選びますが、ドローンのほうがローコストに製作出来ることから低価格帯の楽器はほぼドローン・トーンホール、ソルダードは楽器の材質的にも銀製以上、という図式になってしまっています。

 なので、ソルダード・トーンホールの楽器とドローン・トーンホールの楽器はそもそもモデルが異なることがほとんどで、そうなると頭部管やトーンホール以外のつくりも異なり、楽器の個体差もあるから単純に「トーンホールの作りの違いが音にどう影響するか?」は比較することが難しい… んじゃないか?ムラマツSRとDSは「違う楽器」だからね。

 今サイコーに気に入って吹いている楽器はBettoney社のCADETというモデル、ソルダードトーンホールで洋銀管銀メッキ、というあまりない組み合わせで、たしかに他の楽器にはない個性を強く感じるのですが、それがどの程度ソルダードのトーンホールから来ているものなのか、わからなかったわけですね。トーンホールも含めてのトータルでの個性、という評価にならざるを得ないわけですから。



 それが先日、またしても某オクでCADETの兄貴分たるBettoneyネームの楽器を見つけたのです。商品説明では材質その他の詳細は解らず、でもまぁ比較研究用と思って「エイヤッ!」と落札してみました。

 ネット記事に上がっているBettoneyは銀管ばかりなので、コイツも銀製かと思っていたのですが、手元に来てみると洋銀管銀メッキ。ここは比較には都合良くCADETと同じ、さらに都合良いことにはトーンホールの作りが異なり、これはドローンでしかもカーリングなし。他の条件はなるべく揃った状態でソルダードとドローンを比較したかった訳ですからね。旧いヘインズのレギュラーやアメセル、国産でも旧いムラマツやタネフルート、第一精密などにはドローントーンホールのカーリングなし(切りっぱなし)というのがありました。機械加工技術が未熟だったから、あるいはコストカットのためかと思っていましたが、サックスでは音の点からカーリングを嫌ってわざと切りっぱなしで製作した楽器もあるそうです。「切りっぱなし」とは言っても面取りのヤスリがけはしてあると思いますが。そうじゃないとスキンがすぐ切れちゃうからね。今回のBettoney、これまた比較に都合良いことにポストリブなしで管に直接植えてあるポストもCADETと同じ。てかキィカップの形状が少し異なるだけでその他の作りはCADETとほとんど同じです。まぁ疑問に思うのは弟分たるCADETのほうが何故コスト、手間のかかるソルダード・トーンホールなのか、ってところなんですが…

 新品のとき、それぞれの価格がどうだったのか解らないし、製作年代が異なるのかも知れません。細部の作りを比べるとさほど時代は離れてないように見えるのですが。

 で、本題の「ソルダードとドローンはどう違うか?」なんですが、最低限のタンポ合わせをして(画像のようないい加減な素人工事がされていた部分を直して)吹き比べてみると、チマタ言われている音の特徴でほぼその通りでした。ソルダードは抵抗感がある、ドローンは素直で明るい、てやつですね。頭部管は同じものを使ってです。ちったぁ他人(ひと)が言ってること信じろよ、って?まぁ性格ですから。ただ、「切りっぱなし」特有の音、てのも存在するような気がする。たしかに単なるコストカットだけの意味ではないような。

 旧いムラマツもmodel72あたりのトーンホールは切りっぱなしです。カーリングされている112と比べるとさらに素直な(単純な、とも言えるか?)出音に感じる。72と112では管厚も少し違うような気もしますが…


 それにしても…


 ナショジオチャンネルの「カーSOS」という番組が好きでよく観ます。舞台はイギリス、持ち主にとって思い入れがあるのに事情があってガレージ(納屋)で朽ち果てているクルマを内緒で直して「サープラーイズ‼️」するって内容なんですが、それぞれにさまざまな遍歴があるクルマたちの修理は一筋縄ではいかず、修理担当のファズは毎回「番組の過去の中でも最悪のクルマです」を連発しながら苦労しています。ペイントの下にはパテどころかダンボールが塗り込められていたり、溶接の代わりにリベットでボディが接合されていたり。

 CADETの時は到着した楽器を少し試しただけで「これ使ってみよ」と、いつもヘンテコ楽器を直していただいている田村フルートの田村さんに修理をお願いしたんですね。まぁちょっと見ただけでも場所によりキィカップが傾いているような気もしてたりしたんですが。

 CADETも今回のBettoneyもおそらくおん歳70くらい、その人生(楽器生)のなかで何人もの人の手に渡り、修理(バラ)したひとも何人もいたでしょう。みんながちゃんと扱うはずはなく、そもそも製造時の工作精度にしてからが同時代のムラマツ並のはずもなく、画像のGキィのようなダンボール修理(?)をされているところも、CADETにもたくさんあったでしょう。

 「この(ヘンテコ)楽器を吹いてみたい」の好き勝手な欲望が実現してキブン良く吹いていられるのはひとえに直してくださるリペアさんのおかげです。たぶん毎回「過去にうえのさんが送ってきた楽器の中でも最悪の楽器です」と呟いていらしたとは思うんですが…(汗)。改めて田村さんに感謝です🙇‍♂️

 ですが今回のBettoneyは田村さんに直してもらってもダメフルートだと思う。トーンホールの違いとは別の次元で。CADETとのクォリティの差がナゾです。






🎵 歌口考 🎵  2023/01/13

 この数か月、手持ちの楽器をあっちに行ったり、こっちに行ったりしていたのですね。「ここ数年」かも知れない。フルート吹きとしての自分て日進月歩しているわけですが、10年前に感じていたことと今感じることは違う。まぁ逆に「フルート吹き始めた高校生のころと指向は変わらんな」と思う部分もあるのですが。「出したい音」と「吹きやすさ」の兼ね合いですよね。初心者じゃないんだから「吹きやすさ」はないだろ、てご意見もあるかと思いますが、空想の世界ではなく、机上の空論ではなく「出したい音」を吹くために疲労が伴うようじゃあ現実的ではありません。吉田雅夫先生もどこかに「平均以上の楽器ならどんな楽器でも鳴らせる」と書いておられましたが、こちとらも40年以上吹いているんだからちゃんとした楽器だったらどんな楽器でも吹ける。でも「出したい音(響き)」と「吹きやすさ(望む音のコントロールのやりやすさ)」を追求しだすとどれでもいい訳ではなくなってきますよね。吹きやすければパフォーマンスはアップしますから。

 で、このヘンタイ楽器の登場なのですが、胴体は学生時代に(から)吹いていたムラマツ・スタンダードです。1970年代後半のものですね。足部管は、この画像ではミヤザワ製のH足ですが、今はオリジナルのC足で使っています。ここまではまぁ普通ですね。ヘンタイなのは頭部管で、某オクでジャンク漁りをしていて見つけたムラマツM-120についていた波型のものです。

 このM-120なんですが、前オーナーは実験魔(笑)だったらしく、いろいろとイジられていました。タンポもご自分で交換されたらしく、詳細はここでは控えますが、まぁ失敗(笑)。「鳴らない」胴体になってしまっていましたが、問題は頭部管です。

 何も先入観なしに吹いてみて(ほかの胴体で)、悪くない・・・てか、なかなかグーです。でもバラしてみると(ヘッドコルクだけですが)あーらびっくり。ユルユルのヘッドコルクにアルミテープが巻かれて、それでも緩い状態で収まっていました。ま、息漏れはなかったんですが、セオリー通り新品のコルクに取り換えて吹いてみると・・・

 「鳴らない (゜-゜)」

 ヘッドコルクはキツすぎるとと管の振動をミュートしてしまうのだと思います。頭部管・足部管のジョイントなども、「固ければいい」というわけではないそうですね。モチロン緩すぎて勝手に廻ってしまったり、息もれしてはダメですが、オールドフレンチなどは、足部管ジョイントは緩めがデフォルトらしい。モノ同士の結合って、ガッチリと一体剛性が出るようにする場合と、共振を抑えるために緩くする場合の両方、てのはバイクにもあります。フレンチだけではなく旧いドイツものでもたまにある、足部管のジョイントが長く造られているものってのは「緩め」でも脱落しないように、ってことなんでしょうか?
 で、ヘッドコルクは元に戻しました。このM-120の元オーナーほどではないですがうえのも実験魔のハシクレを自認していますから、このユルユルヘッドコルクをほかの頭部管に交換して試してみましたが、よくはならないです。他のものはセオリー通りの状態が一番いい。うーむなんなんでしょうか?

 「うーむ」とうなる部分はもうひとつあって、この頭部管、ボコボコなんです。遠目にはわからないですが、細かい凹みがジョイント部分以外の全体にあります。雪平鍋のようです。
 ブツけてへこましたのならばこんなに全体には及ばないだろうし、以前、椅子の上に置いていたら誰かがその上に座ってしまってペチャンコになったのを復元して… でも小凹は取り切れませんでした、てのを見せてもらったことがありますがそれとも違う。常識では「ボアは可能な限り滑らかに」じゃない?でも木管の場合は当然木目とか、導水管とかがあって限界あるよね。インレットマニホールドもムカシは「鏡面に磨く」だったのが今では「表面の粗さを残した」ほうが吸気効率はアップする、と常識変わったのだから、この「雪平加工」の効果は? 吹いて悪くないのだからま、いっか。ここを解明するには「雪平鍋」じゃない同じモデルの頭部管と比べたいところですが、年代モノだし製作本数も少ないだろうから難しいですね。

 だいたいが、「実験魔の前オーナー」だったんだからM-120オリジナルの頭部管じゃないかも。「M-120」になってからは頭部管には例のムラマツマークが入っているはず。標準の頭部管はストレートだし。これよりも少しまえの時代のmodel72とかmodel112も持ってるんですが、全く同じ形状なのでその時代のものか?72や112は吹いた感じは確かに違うんですが材質も違うし、「雪平鍋効果」の程はわからないなぁ、いまのところ。手持ちの頭部管1本ボコボコにしてみるしかないか?




 前オーナーの実験結果はここらで置いておいて、はい、最大のヘンタイポイント「ムラマツ波型リッププレート」なんですが、
 たしか、フルートクラブ版の黄色いアルテス(アルテか?)には図があって、「特殊な奏法の人に向く」って書いてあった気が… 「特殊な奏法」ってなんだ?これが吹きやすいボクは「特殊な奏法」なのか?

 これもどこかに書いてあったけど、「フルートは唇の薄いひとが向いている」説。昭和の、吹奏楽コンクール強豪校には、未経験新入部員のパート決めをするのに唇が薄い子をフルートかトランペットに廻したとか廻さなかったとか。唇に限らず歯並び、顔面の筋肉の様子は思っている以上に個人差があると思います。そしてそれがそれぞれの「音の個性」につながるのだと思います。ゴールウェイは何を吹いてもゴールウェイの音。もちろんテクニックでもあるけど。

 音楽するのにパレットの色はなるべくたくさんあったほうがいい。ここでも「出てくる音」と「出したい音」の兼ね合いがあるわけですが。楽器のほうにも「音の個性」があるわけですから、なるべく「好みの音が出しやすい」楽器が相性よい楽器なわけですね。楽器が木製だった時代は、リッププレート(に相当する部分)は楽器の直径で決まってしまっていた。現代の金属製はその制約から解放されたので、リッププレート手前を低くしたり、向こう側も急降下状態にしたりして現代求められるシャープな音を指向しているようです。リバイバル木管もその手の歌口をオプションにしている。そしてそれらの要素、下唇の動きやすさや当たりの安定などのバランスが最適なのが現代で一般的なストレートのリッププレート形状なのでしょう。バランス、大事ですから。

 じゃあ波型の意味は?あくまでも自分の場合は、ですが(現代でこれを吹くヘンタイは他にはいないようでもあるし)、自分、典型的昭和の日本人体型、タラコ唇です。この「ムラマツタイプ」波型リップはマウスホール手前側が極端にえぐれていて、下唇を押しつぶしたり、寄せたり引いたりと邪険にしなくても適正な入射角が取れます。

 波型のリッププレートは、旧いドイツの楽器によくあります。これは愛用のもう一本、フランツ・メナートですが、コイツの場合はリッププレートえぐれていません。ストレートのリッププレートに峰が付いた形状です。ハンミッヒやメーニッヒもそうです。波うっている目的が違う気がする。ドイツのマイスターたちが狙ったのはラファンなどのアドラーと同じく、ホール左右に拡散した息をまとめようとしたのと、チムニーの深い・浅いそれぞれの特性いいトコ取り、それにエッジの実効長の延長なんじゃないか?

 比田井先生が「特殊な奏法」と言った部分はここなのかな、と思うところは、下唇の使い方がチト他とは違う。「ムラマツタイプ」はプレス(下唇を押す)に極端に弱いです。三点支持なんぞとーんでもない。下唇を「タラコのまま」で使えるのと引き換えに、極端に軽いプレスが要求されるのです。ということは、「楽器の持ち方(支え)」も、常識的なものからチーと変更しないと不安定になってしまいます。いわゆる「ロックストロ・ポジション」に近いかと思いますが、詳しくは企業秘密(笑)。クラブ版アルテに載ってる図、ということはハンミッヒやメーニッヒではなく、たぶんムラマツ波型だと思います。(もうひとつタネ・フルートタイプ波型、てのもあるんですが)



 まぁ小難しいことは置いとくとしても、自分が吹きたい音楽、出したい音にはこのヘンタイ楽器が(今のところ)合ってます。
















































































m(_ _)m