オンライン・レッスン じーばーぴあの

第2回 2021/02/18

 首都圏の新規感染者は減少してきていますが、医療機関はまだまだ大変な情況のようです。昨日からワクチン接種も始まったようですが、今はまだ、「ウチで出来ることをする」が自分たちに出来ることであるようです。

 で、今日のお題は、

 

「指をもうすこし思い通りに

         動かすには」

 

 アタマでっかちになったって弾けないんですが、指が動く仕組みをすこしだけ知っておくと、自分が練習している時に「これやっちゃマズい」を理解しやすくなります。

 

 指が動くしくみにはたくさんの筋肉が関わっていて、知れば知るほど「よくこんなものが出来上がったもんだ」と感心します。まぁ神様が、とは言いませんが生命の神秘、みたいなものを感じます。

 

 ボクはこのへんの専門家じゃないですから、あまり聞いたことの受け売りではなくて自身の実感に基づいたおはなしに止めますが、ピアノ弾くときって、指を曲げる筋肉と伸ばす(戻す)筋肉を使っていることは容易に想像出来ますよね?

 指を曲げるための筋肉はもっぱら3種類あるのですが、そのうちの2つは実は手のひらの範囲だけではなく、上腕までにわたっています。浅指屈筋と深指屈筋です。

 

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浅指屈筋

 

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深指屈筋

 

 

 

 ついでに言うと、指を「伸ばす」(戻す)筋肉も上腕にあります。

 

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指伸筋 

 

 

 手の甲がわの指をさわってみると「ホネカワスジエモン」状態で筋肉の存在が感じられませんよね。つまり指を伸ばす側の筋肉は「手の内」にはないのです。

 

 あまり人体標本ばかり見ていると中学校の理科室に舞い戻ったようなキブンになりますからもういいか、ですが、ここからわたしたちが知らなければならないのは、「ウデがつっぱっていたら指は動かない」だと思います。ボクがこのへんを実感したのはフルコン空手で「手をケガしても指は動くが、ウデを痛めると動かない」を経験したからなんですが…(汗) 「正しい姿勢」「脱力」の意味はここにあります。みなさん集中力は若いモンには引けを取らない(笑)ですが、ともすると行き過ぎて「個室状態」になります。周辺への注意力が減少してしまうのですね。目前の「鍵盤」「楽譜」だけに対する注視だけではなく、「リラックス出来ているか?」が大切な理由もこれなのです。決して「もっとラクして~(テキトーに)」ってことじゃないんですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1回 2021/02/01

 緊急事態宣言下、自宅で過ごす時間が増えました。さあー事態を逆手にとって、日頃あまり手を付けていない練習をじっくりやるチャンス。楽器の練習って、「目標がないと気合がはいらない」て面もたしかにありますが、時間や予定に追っかけられないでジックリ追求できる時間は貴重ですし、本来そこに本当の楽しみがある、と僕は思います( ^^) _U~~

 

 といっても一方通行のオンラインレッスン(てかオンライン・アドヴァイスですかね?)、あまり小難しいことを書いてもスルーされちゃうだけと思いますので、今日のお題はひとつだけ、

 

 「手探りの練習」

 

 初めて言い放つわけでなく、以前からお話していますが、ピアノの練習を重ねて身につく内容って、そらたくさんありますが、そのうちのひとつがここでやろうとしている「鍵盤感覚」なんじゃないかと思います。訓練されたクラシックのピアニストは、目を閉じたままで88鍵のいちばん左のラでも、右端のドでも弾けます。そこまでの「人ピ一体感覚(?)」はまぁ無理としても、出来る範囲でもっと感覚を開発できる部分があります。

 

 いつもお話しているように、鍵盤上での手の動きは、「クモがはい回るように(『クモ歩き』)」…なるべく鍵盤から手を浮かさずに、一定の距離を保って動くときと、「離陸・着陸(『ジャンプ』)」を繰り返すときがあります。弾こうとしているフレーズによって、これを顕在意識が明確に認識してから「カラダの記憶」に入れないと、その部分を安定して弾くことが出来ません。

 

 そのひとの手の大きさ(シニアは手がひらくか)にもよりますが、次の音が1オクターブ、8度以内の距離ならば「クモ」「ジャンプ」両方可能なわけですが、「クモ」だったとしても鍵盤を「目視」しなければ弾けないのでは、「クモ」効果は半減以下。「クモ歩き(弾き)」は見ないでも弾けることがメリットなのですから。

 

 で、必要になってくるのが「鍵盤感覚」です。見なくても、手探りで「ドーミ」と弾けるように。

 

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 ドに左手親指をおいて目を閉じてください。そのまま小指でミの音を弾きます。

 

 違う音だったら「ありゃま」と目をあけて確認してから、また目を閉じて同じことを繰り返します。

 

 100発100中、ミを押さえられるようになったら同じように、薬指でファ、中指でソ、人差し指でラ、にトライしてみます。「シ」の鍵盤は空けてあるのがミソ。指先の、鍵盤に「触れている」感覚を感じてください。自分が弾いた音をよく聴いて。「大切なものは目に見えない」

 

 

 かんたんでしょ。ゲーム感覚でチャレンジしてみて。もちろん右手の感覚開発にも有効です。